2015年5月9日

因果応報からの学び

 

かつて中国語を勉強していたとき、文法の先生がいいました。

「中国語は、ぐ〜るぐる、ぐ〜るぐる、水槽のなかを回るようなものです。同じことを毎回ま〜いかい繰り返しているようで、そのうち気づいたら身に付きます」

ああ、その反復練習が十分でないままいったん学習を中断してしまったわたしは、いまだ中国語を使えません。

嗚呼、因果応報。

 

さて、カレンダー通りで5連休だったゴールデンウィークは、2歳児の息子と近場を遊び倒し、なかなかの達成感を味わえました。ふり返ると1年前の悪夢がまるでウソのようです。

 

今年の遊び場は、夢見ヶ崎動物園(川崎区)、チームラボ 学ぶ!未来の遊園地(有明、日本科学未来館)、東急大井町線探訪(溝の口)、機関車トーマス映画鑑賞と水上バスクルーズ(台場)、千葉ドライブ(海ほたる、木更津アウトレットモール)など。なにを見ても新鮮に喜ぶ幼児と一緒というのは、ほんとうに楽しいものです。

 

去年の同時期は名古屋、主人の実家に帰省し、皆が孫見たさに大喜びで迎えてくれました。天候にも恵まれ、心癒されるひと時でした。

こうしてスナップショットで見ると楽しく廻った1年のようですが、実は昨年、過労により仕事ができない時期がありました。今となってはウソのようなわずかな期間でしたが、休む大切さ、長期的かつ相対的な視点を意識するようになり多くを学んだ時でした。

 

ちなみに私の場合、仕事に戻るために効いた薬は、①寝る、②身体を動かす、③心理状態を学ぶ、④人と会う・話を聞く、⑤仕事の模擬練習をする、といったものした。

 

病気になっても働けなくなっても、不安も課題もいずれは解決する。地道に生きていればことがある。

セレンピディティもわらしべ長者も、山谷あって生まれる、というのが今の信念です。


と、こんな回顧をする理由は、巡るものは巡る、諦めないことが肝心、と随所で思うからです。

 

ふり返ると10年前、企業広報(インハウス)から広報代理店(エージェンシー)に転職した時、疲労・不眠・責任・攻撃・自己嫌悪にさいなまれました。

以前のインハウス広報時代は、接する相手は主に社内とマスコミで、評価軸は記事などの露出でしたが、エージェンシーに移ると調整相手にクライアントと部下が加わり、コンサルティングやサービスとそれに連動するフィーというものが発生します。

神経を使うところが増え慣れない環境に苦しむ、そんな時は脆弱になり、悪循環が生じます。

それからソーシャルメディアの発達で、情報流通の形態が変わりました。

そして自身の妊娠、出産もありました。

この15年での環境変化はこんな感じです。

こうしてみると、環境変化に苦しんで当然。

結局、こうした変化を含めて仕事が好きだから続けているわけで、自分の選択の因果関係に納得するばかりです。

 

余談ですが、エージェンシーに移って最初の会社で苦悩するわたしを見て、普段はひとの仕事に口を出さない主人がある日、「代理店は向いてないんだよ」といったのを覚えています。曰く、「きみは、IT企業の広報でござい、っていうのが向いてんだよ。代理店の営業の仕事とか向いてないんじゃない」という見方でした。

お高くとまって偉そう、といわれると返す言葉もないタチなので悩みましたが、やはりクライアントの成果が出てひとの喜びが広がり、そこに経済効果もついてきて、というエージェンシーの仕事が好きでやめられません。

 

要は、仕事の向き不向きを納得し、選択肢を決めるのは自分なんだと思います


そんなふり返りをチャートにするぐらいの余裕が出てきたころ、現在の会社の役員構成が変わり、新しい経営幹部の参画がありました。


ふっと思い出す、自分が20代の頃に繰り返した勤務先の倒産や買収の歴史。

当時のわたしは広報として対応していましたが、会社の経営や売上に直接的な大きな貢献をするにはいたりませんでした。

 

しかし今回、これを機に新しい方々と話をするうちに、PR業に関する強い危機意識、変革の必須性と同時に高まるニーズを感じます。

メディアや報道機関、情報流通のあり方が一変した今、そしてこれから10年後、20年後を見据えると、今のPR会社や広告会社といったマスコミ周辺のサービス業はこのままではありえないでしょう。

 

挫折は人にも会社にもつきもので、決して楽観視のみでやっていけるとは思いません。

が、変革の意気込みを持つ方々と新しい化学反応起こしてがんばってみたい、という意欲がわいてきます。

これを機に学ぶことは、またこの先につながる、と信じています。

  

というわけで、中国語への再挑戦は一ミクロンも進みませんが、新しい環境下で新たな活動、事業を考える、またとないチャンスに恵まれました。

夏草や兵どもが夢の跡とならぬよう、これを機にいっそう精進したいと思います。