2015/11/22

マザー3.0

 先々週、3歳5ヶ月になった息子が40度近くの高熱を出し耳が痛いと悲鳴をあげ、ウィルス性胃腸炎と中耳炎で苦しむなか看病しながらおちおち眠れない日がありました。

 これまでも熱性けいれんで白目をむいて倒れたりしながらもすくすく育ってきたので、親として多少のことでは気が動転しなくはなっていますが、それでも苦しそうに朦朧として横たわっているわが子を前にすると、手を尽くして気をもみ祈るしかありませんでした。

 

 しかしふり返るとわずか1年半前、1歳11ヶ月で中耳炎になったときは、痛さを表現できずに泣くだけで完治に2週間かかった息子が、今回は「痛い!」と金切り声をあげて教えてくれ、5日ほどで完治しました。成長がもたらす治癒力に安堵し驚きました。

 

 息子は3歳児らしく、身体だけでなく頭や心も育ってきています。こういうと穏やかですが、病後で機嫌が悪いこの時期は「ママいらない」「ご飯食べない」と泣き叫び暴れるノーママ運動をくりひろげました。こうなると母親とはいえ心が折れます。

 回復してよかったと思いながら「そうだよねー、生んでくれって頼んでないって思うわね」と脇に座り込んでつぶやき、今は身長90センチだから殴られても大したことないけど、これが高校生ぐらいになったらこっちは本当に打撲とか骨折とかするんだろうなと呆然としました。

 

 とはいえ1年半前、息子の最初の中耳炎のときは、わたし自身も過労で倒れました。出産までは女性だからといって男性に負けない長時間労働ができると思っていましたが、実際のところ授乳や育児と過度な勤労は、野放図に両立するものではないと知りました。

 今回は主人とともに仕事を調整してイレギュラーなスケジュールで息子の看病をしたおかげでわずか数日で、何事もなかったかのようにみな平常に戻りました。

 

 こうやって、こどもの成長とともに、親も変わっていく。母子ふたりの関係も、父母と子の三人の関係も変わっていくものです。

  うむ、息子3歳にして母もマザー3.0だ。

 ということは極論マザー60ぐらいまでありうるわけか。

 

などとひとりごち、生きていることを実感しながら迎えた週末でした。